マギンダナオ族(読み)マギンダナオぞく(英語表記)Magindanao

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マギンダナオ族」の意味・わかりやすい解説

マギンダナオ族
マギンダナオぞく
Magindanao

フィリピン南部,ミンダナオ島コタバト地方に居住するマレー系の一民族。人口約 70万と推定される。マギンダナオ・モロまたはマギンダナオ・ムスリムとして知られ,フィリピン最大のイスラム教徒集団を形成している。言語的にはオーストロネシア語族に属する。マギンダナオとは氾濫平原の人々の意味で,リオグランデ谷が雨季には海岸から十数 km内陸まで洪水に襲われることに由来する。生業水稲の栽培であるが,内陸部では焼畑農耕,沿岸部では漁労に従事,後者は以前は海賊として知られ,また青銅器や銀器の加工にすぐれている。社会階層制をもち,スルタン,ダトゥなどの指導者層に統治されていたが,近年はモロ民族解放戦線 MNLFを組織し独立運動を展開する人々が台頭している。 (→モロ族 )  

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android