日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
マクドナルド(George MacDonald)
まくどなるど
George MacDonald
(1824―1905)
イギリスの詩人、小説家。初め聖職につくが、失敗。著作に転じ、大人向きのフェアリー・テール『ファンタステス』(1858)、自伝的な『デイビド・エルギンブロッド』(1863)で地歩を固める。有名な短編『黄金の鍵(かぎ)』を含む『妖精(ようせい)とのおつきあい』(1867)、『北風の後ろの国』(1871)、『お姫さまとゴブリンの物語』(1872)、『カーディとお姫さまの物語』(1883)などのファンタジーも子供たちに残した。神秘的イメージによる生死の意味の探求は、強い物語性に支えられ、ファンタジー文学に大きな影響を与えた。
[神宮輝夫]
『中村妙子訳『北風の後ろの国』(ハヤカワ文庫)』▽『中村妙子訳『黄金の鍵』(1985・偕成社)』▽『脇和子訳『お姫さまとゴブリンの物語』(1985・岩波書店)』