日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
マクドナルド(John D. MacDonald)
まくどなるど
John D. MacDonald
(1916―1986)
アメリカの娯楽小説作家。冒険、科学、幻想、犯罪、推理と守備範囲が非常に広く、かつ多作で、ペーパーバックの書き下ろしによってアメリカ一般読者の幅広い支持を得ている。一方、ハードカバーの力作も多く、『夜の終り』(1960)のような特異な形式で犯罪に迫る佳作もある。1964年『濃紺のさようなら』で盗賊探偵トラビス・マッギーTravis McGeeを創作し、このシリーズの『桃色の悪夢』(1964)、『とり残された一人』(1967)なども大評判を得ている。
[梶 龍雄]
『吉田誠一訳『夜の終り』(創元推理文庫)』▽『深町真理子訳『濃紺のさよなら』(1967・早川書房)』