マクラウド(Henry Dunning Macleod)(読み)まくらうど(英語表記)Henry Dunning Macleod

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

マクラウド(Henry Dunning Macleod)
まくらうど
Henry Dunning Macleod
(1821―1902)

イギリスの経済学者。エジンバラに生まれる。1843年ケンブリッジのトリニティ・カレッジを卒業し、しばらくは法律家として身をたてたが、のち経済学の研究に専念した。マクラウド業績はとくに金融論分野で高く評価されているが、そのなかでもっとも著名なのは本格的信用創造理論を展開したことである。すなわち、銀行を単に預金を受け入れて貸出を行う機関だとする定義に反対し、信用創造機関として位置づけた。マクラウドの信用創造理論はその後多くの経済学者によって発展されて今日に至っている。マクラウドの著作としては『銀行業の理論と実際』The Theory and Practice of Banking(1856)がもっとも有名であるが、ほかにも『経済学原理』Elements of Political Economy(1858)や『経済学史』The History of Economics(1896)など、その数は多い。

[原 司郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android