マス(鱒)(読み)マス

百科事典マイペディア 「マス(鱒)」の意味・わかりやすい解説

マス(鱒)【マス】

分類上はサケ科のサクラマスのこと。しかし東京ではやや味の落ちるカラフトマスをマスと俗称し,サクラマスをホンマスと呼ぶなど,名称は混乱している。他にマスの名のつくサケ科の魚にはヒメマスニジマスカワマスマスノスケなどがある。一般にサケとマスは明確に区分できると思われがちだが,ベニザケ陸封型をヒメマスというように,両者のちがいは定かでない。マスを代表するサクラマスは,陸封型をヤマメと呼んで区別する。全長60cm,サケとよく似るが幽門垂,鰓耙(さいは)の数が少ない。太平洋側の利根川以北,日本海側および熊本県などに分布孵化(ふか)後1〜2年半で海に下り,約1〜2年を海で過ごして晩春〜初夏,産卵のため川をさかのぼる。定置網刺網などで漁獲され,塩蔵するほか,塩焼き,ムニエル,刺身などで賞味する。

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