マッカーサー草案(読み)マッカーサーそうあん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マッカーサー草案」の意味・わかりやすい解説

マッカーサー草案
マッカーサーそうあん

連合国軍最高司令官 D.マッカーサー元帥が起草させた日本国憲法草案。 1946年2月3日マッカーサーの指示に基づき,総司令部民政局内で秘密裏に起草され,2月 10日一応完成し,2月 13日日本政府に手渡された。前文および本文 92ヵ条から成る。マッカーサーの指示は (1) 天皇制は存続させるが国民主権に基礎づかせること,(2) 戦争放棄,(3) 封建制廃止を内容とするもので「マッカーサー3原則」と呼ばれる。のちにこれに国会は一院制にすることが加えられている。この草案は日本国憲法と多少の重要な変更はあるが (たとえば,両院制にするなど) ,その基礎を形成したものとして歴史的に重要であるのみならず,日本国憲法の解釈論においても立法者の意思として無視できない意義をもっている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のマッカーサー草案の言及

【日本国憲法】より

…この要綱は,46年2月8日,占領軍総司令部に提出された。
[マッカーサー草案]
 同年2月13日,占領軍総司令部は,この〈要綱〉を拒否して,人民主権を宣言する〈総司令部案〉(〈マッカーサー草案〉)を日本側に渡し,これを最大限に考慮して新しい憲法草案をつくるよう要求した。〈総司令部案〉は,今の日本国憲法とほぼ同内容のものであるが,部分的にはそれ以上のものを含んでいた。…

※「マッカーサー草案」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android