マツブサ科(読み)マツブサか

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マツブサ科」の意味・わかりやすい解説

マツブサ科
マツブサか
Schisandraceae

双子葉植物モクレン目の1科。広義モクレン科に入れられることもある。アジア東部の熱帯から温帯にかけて2属約 50種がある。つる性の低木で,単葉を互生する。花は雌,雄の単性花をつけ,放射相称形で多数 (10枚以上) の花被片をもち,多数のおしべと,やはり 10個以上のめしべとがある。これらのめしべがそれぞれ球形の核果となるので,房状の果穂,または集合果をつくる。日本ではマツブサ (松房)チョウセンゴミシ (朝鮮五味子) (ともにマツブサSchisandra) のほか,ビナンカズラの名でしばしば栽培されるサネカズラがよく知られる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マツブサ科」の意味・わかりやすい解説

マツブサ科
まつぶさか
[学] Schisandraceae

双子葉植物、離弁花類。マツブサ属Schisandra約25種と、サネカズラ属Kadsura約20種の2属からなる藤本(とうほん)(つる植物)。前者は落葉性で果托(かたく)は著しく伸長するが、後者常緑で果托は球形。花被片(かひへん)、雄しべ雌しべは多数が螺旋(らせん)配列し、広義のモクレン目に分類された。雄しべは普通互いに合着する。一般に雌雄異株とされるが、実際には雌雄同株であったり、性転換することもある。東アジアから東南アジアに広く分布し、マツブサ属の1種が北アメリカ南東部に隔離分布する。果実は強壮薬などに利用する。APG分類ではシキミ科もマツブサ科にまとめられ、アウストロバイレヤ目(シキミ目)を構成する。

[植田邦彦 2018年7月20日]

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