マヌス島(読み)マヌストウ

デジタル大辞泉 「マヌス島」の意味・読み・例文・類語

マヌス‐とう〔‐タウ〕【マヌス島】

Manus Island》パプアニューギニア北部、アドミラルティ諸島の主島。熱帯雨林が広がり、サンゴ礁に囲まれる。中心地東岸ロレンガウ。隣接するロスネグロス島に、かつて日本軍が建設した空港がある。マヌース島グレートアドミラルティ島

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改訂新版 世界大百科事典 「マヌス島」の意味・わかりやすい解説

マヌス[島]
Manus Island

南西太平洋,ニューギニア島北東に位置するアドミラルティ諸島の主島で,パプア・ニューギニア国マヌス管区に属する。面積約1640km2,人口2万(1980)。島の中央部は山地,東西両岸は隆起サンゴ礁からなる。11~3月に北西季節風が,5~10月に南東貿易風が吹き,年間を通して多雨である。東部の二次林や草原地帯を除くと,他は低地雨林地帯となっている。中心は北東岸のロレンガウ。コプラが主産物ココア,ゴムなども作られ,漁業,林業も有望である。1616年オランダ人スハウテンW.C.Schoutenとル・メールJ.Le Maireがヨーロッパ人として初めて発見したといわれるが,これより1世紀以上前にポルトガル人が訪れているようである。島民メラネシア人で,モアヌス(マヌス),ウシアイ,マタンケール(マタンコール)の3集団に分かれている。伝統的にはモアヌス族は海岸や潟に杭上家屋を設け,カヌーを足とする漁労,交易航海民であり,ウシアイ族は内陸に住む農耕民である。マタンケール族はこれらの間にあって海岸部や内陸に居住し,漁労と農耕を行う。海上交通路をおさえるモアヌス族は,魚との交換サゴヤシデンプンタロイモなどの食料品を入手し,また周辺島々からの産物も加えた商業活動を行う。しかし近年この3者は混合しつつある。島民は勤勉で教育水準も高いので,役人,教師,警察官,船員,各種技術者として国中で活躍している。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マヌス島」の意味・わかりやすい解説

マヌス島
マヌスとう
Manus Island

パプアニューギニア北部,アドミラルティ諸島の主島。周辺の島々とともにマヌス県 (面積 2100km2。人口3万 2830〈1990〉) を構成する。県都はロレンガウ。自給用のサゴヤシ栽培と漁業のほか,輸出産業としてコプラ,ココア,コーヒーを産出。

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世界大百科事典(旧版)内のマヌス島の言及

【パプア・ニューギニア】より

…互いに似てはいるが,それぞれ独自の文化をもった社会が言語の数だけ存在しており,人間の営みがいかに千差万別かがよくわかる。 ニューギニア島北東岸沖のマヌス州にあるマヌス島では,女が外で農耕を行い,男が育児と炊事を行っており,人形に興味をもつのは女児ではなく男児である。ニューギニア島東端のミルン湾州のトロブリアンド諸島では,あらゆる男女の禁忌のなかで兄弟と姉妹のそれが最も強く,年ごろになると兄弟と姉妹は互いに顔も見ないようにしなければならない。…

※「マヌス島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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