ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マルパ」の意味・わかりやすい解説
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…12世紀末まで続いた同王朝では,その後密教が栄え,インド中央マガダのパーラ朝との間でも学僧やタントリスト(密教行者)の往来が盛んであった。11世紀以降はチベットとの往来も再び盛んになり,著名なアティーシャはネパールを経て西チベットに入国しており,チベット仏教カーギュ派の祖とされるマルパもネパールでタントラを実修している。13世紀に西チベットで成立したともいわれるマッラ王朝はその地からネパールに勢力を広め,カーギュ派がネパールで盛行する基を築いた。…
…彼等は11世紀以前の混乱期における破戒無愧の仏教に懲りて,吐蕃時代以来の寂護,蓮華戒によって説かれた瑜伽行中観派の仏教をもっぱら奉じた。 当時インドでは無上瑜伽タントラが流行して,インドに留学してそれらをチベットに広めたマルパ(1012‐97)や,その弟子ミラ・レーパ(1040‐1123)などと,サキャ派のように吐蕃時代のタントラ仏教と新しい無上瑜伽タントラを併せ説いたもの,吐蕃時代の無上瑜伽タントラと南宗禅由来の見解を継承した古派,捨身供養をタントラ仏教的観想法によって意義づけたシチュー派などが発生した。アティーシャの傾向に近い弟子の系統から,後にガンポパ(1075‐1153)のような無上瑜伽タントラ系の不思不観の瞑想法をとり入れるものも現れた。…
※「マルパ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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