マンニトール

デジタル大辞泉 「マンニトール」の意味・読み・例文・類語

マンニトール(mannitol)

糖アルコール一種白色甘味のある水溶性結晶天然に広く存在し、食品ではコンブキノコ類などに多く含まれる。また、食品添加物医薬品にも利用される。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「マンニトール」の解説

マンニトール
マンニトール
mannitol

C6H14O6(182.17).マンニットともいう.ヘキシトールの一種.D-マンニトールはD-ソルビトール,ガラクチトールと同様に広く植物界に分布する.とくにスズカケPlatanus orientalisマンナには遊離状で80~90% も含まれる.D-グルコースのアルカリ性溶液の電解還元によっても得られる.Aspergillus属のかびはD-グルコースやショ糖を,Escherichia coliE.freundiなどはD-フルクトースを,高収率でD-マンニトールに変換する.無色の針状晶.融点166 ℃.-0.5°(水).pKa 13.29.水に可溶.甘味がある.細菌Acetobacter xylinumA.suboxydansにより酸化されてD-フルクトースを与える.LD50 13500 mg/kg(ラット経口).浸透圧性利尿薬,腎機能診断薬に用いられる.L-マンニトールは非天然産であり,L-マンノースの還元によって得られる.融点164 ℃.DL-マンニトールは融点170 ℃.[CAS 87-78-5][CAS 643-01-6:L-マンニトール]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「マンニトール」の解説

マンニトール

 C6H14O6 (mw182.17).

 糖アルコールの一種.ケーキング防止剤,安定化剤,甘味料などに使う食品添加物.天然にもタマネギなどに存在する.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のマンニトールの言及

【糖アルコール】より

…ペンチットであるアドニット(アドニトール)は遊離型でも存在するが,ビタミン,補酵素の一種であるFMN(フラビンモノヌクレオチド)やFAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)の成分として存在する。また,ヘキシットであるマンニット(マンニトール)は,マンナ(植物の茎にある糖を含む分泌液)の主成分である。同じくヘキシットであるズルシット(ズルシトール)は,水に難溶で,糖尿病患者の甘味料として用いられる。…

【マンニット】より

低分子生体物質の一種。マンニトールmannitolと同一物質。糖アルコールの一種で,マンノースのカルボキシル基が還元されて水酸基に置き換わった6価アルコール。…

※「マンニトール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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