マードック(英語表記)Murdoch, Rupert

デジタル大辞泉 「マードック」の意味・読み・例文・類語

マードック(James Murdoch)

[1856~1921]英国の日本研究家。明治22年(1889)に来日。第一・第四高等学校などで教鞭をとる。主著「日本史」(全3巻)。

マードック(Jean Iris Murdoch)

[1919~1999]英国の女流小説家。ユーモアと叙情性を併せ持つ作風で愛の不毛を描く。作「網の中」「鐘」など。

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精選版 日本国語大辞典 「マードック」の意味・読み・例文・類語

マードック

[一] (William Murdock ウィリアム━) イギリスの機械技術者。ワットと協力して、蒸気機関の改良、普及に貢献。また、ガス灯を改良し、レトルト‐バーナーなどを製造した。(一七五四‐一八三九
[二] (James Murdoch ジェームズ━) イギリスの日本研究者。明治二二年(一八八九)来日。東京第一高等中学校・第四高等中学校などで英語・歴史を教えた。また、九州炭坑を視察し、その惨状を「ジャパン‐ガゼット」紙に発表。主著「日本史」三巻。(一八五六‐一九二一

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マードック」の意味・わかりやすい解説

マードック
Murdoch, Rupert

[生]1931.3.11. ビクトリア,メルボルン
ニューズ・コーポレーション (アメリカ第3のメディア・コングロマリット) の最高経営責任者。映画の 20世紀フォックス,出版のハーパー・コリンズ,『ロンドン・タイムズ』紙,ブリティシュ・スカイ・ブロードキャスティングなどの会社を所有している。オックスフォード大学ウースター・カレッジで政治学と経済学を学び,ビーバーブルックの『デーリー・エクスプレス』の編集にたずさわったのをきっかけにジャーナリズムの世界に入る。 1954年オーストラリアに帰り,父の遺産として引継いだアデレードの『ニューズ』『サンデー・メール』の2つの新聞と,鉱山町ブロークンヒルにあるラジオ局の経営に没頭。派手な見出しと買収を繰返し,64年オーストラリア初の全国紙『オーストレーリアン』を創刊。海外のメディアにも手を広げ,69年には手始めに,イングランドの労働者階級に人気のある老舗のタブロイド判日曜新聞『ニューズ・オブ・ザ・ワールド』,さらに『サン』を買収。セックス,スポーツ,犯罪の記事に重点をおき,発行部数を1年以内に倍増させた。 70年にはロンドン・ウィークエンド・テレビジョンの部分的所有権を獲得し,これを足掛りにイギリスの放送界に関心をもちはじめ,それがスカイ・テレビジョンの衛星放送サービスへと発展する。また,サンアントニオの『ニューズ』,『エクスプレス』を買収し北アメリカに進出,76年にはニューヨークに転じて,アメリカで最も古い日刊紙『ニューヨーク・ポスト』をはじめ,『ビレッジ・ボイス』『ニューヨーク・マガジン』『ニュー・ウェスト』を買収。 85年メトロメディアのテレビ局6局を買収,アメリカ市民以外がテレビ局の 20%以上を所有することを禁じた法律に違反しないように市民権を獲得した。 87年,20世紀フォックスとメトロメディア局を合せ,フォックス・テレビジョン・ネットワークとし,その傘下には約 100局の独立局が姉妹局として参加した一大放送帝国を築き上げた。さらに『TVガイド』『セブンティーン』などの版元トライアングル・パブリケーションズを買収,これで,ニューズ・コーポレーションは,タイム・ワーナー,ガネットに次ぐ第3のメディア・コングロマリットとなった。 91年『ニューヨーク・マガジン』『セブンティーン』『レーシング・フォーム』を KIIIホールディングズに売却するなど,9つの刊行物を売払ったが,ホンコン,ハンガリーの新聞にも投資し,影響力をもち続けている。 98年アメリカ大リーグ球団ロサンゼルス・ドジャースを買収しスポーツ事業に参入した。

マードック
Murdoch, Dame Jean Iris

[生]1919.7.15. ダブリン
[没]1999.2.8. オックスフォード
イギリスの女流作家。作家 J.ベーリーの夫人。オックスフォード,ケンブリッジ両大学に学び,オックスフォードで哲学を講じた。『サルトル-ロマン的合理主義者』 Sartre,Romantic Rationalist (1953) のあと著作に専念,『網のなか』 Under the Net (54) ,『魔術師から逃れて』 The Flight from the Enchanter (56) ,『砂の城』 The Sandcastle (57) ,『鐘』 The Bell (58) ,『ユニコーン』 The Unicorn (63) など次々に作品を発表。特に 1970年代には『ブラック・プリンス』 The Black Prince (73) ,『愛の機械』 The Sacred and Profane Love Machine (74) など,年に1作のペースで精力的な活動を続けた。幻想と現実,自由と責任,自然と不自然などの問題を扱って,しばしば形而上学的な傾向を示しながら,観念臭を感じさせない,現代イギリスを代表する小説家の1人。 78年発表した『海よ,海』 The Sea,The Seaでブッカー賞を受賞した。

マードック
Murdock, William

[生]1754.8.21. エアシャーオーキンレック
[没]1839.11.15. バーミンガム
イギリスの発明家。 1777年 M.ボールトンと J.ワットに雇われて,バーミンガムのソホー工場で働いた。2年後コーンウォールに移されて,ワット蒸気機関の設計,据付けの監督をした。その頃レッドルースで石炭乾留の実験を続け,92年石炭ガスで点灯することに成功。 99年バーミンガムに帰ってからは石炭ガスの精製,貯蔵法を改良して実用化した。 1802年アミアンの和約を祝ってソホー工場の外面をガス灯で照し,工場内にもガス灯を常設した。 07年ガス灯はロンドンの街路灯に用いられ,エジソンが電灯を発明する (1879) まで約1世紀にわたってガス灯の時代が続いた。また蒸気機関の改良についても,D字形スライドバルブ,遊星歯車機構など重要な発明を行なった。ほかに蒸気銃の発明 (03) も知られている。

マードック
Murdoch, James

[生]1856.9.27. イギリス,キンカーディン
[没]1921.10.30. オーストラリア,ボールカムヒルズ
イギリスの日本研究家。アバディーン大学のギリシア語助教授だったが,胸を病んでオーストラリアに移り,ウェスタンオーストラリア州とクイーンズランド州で中学校教師をし,1888年シドニーの有力新聞社のためにホンコンでクーリー(苦力)問題の取材活動にあたり,1889年訪日して九州の炭鉱事情を取材して『ジャパン・ガゼット』に寄稿。中津中学校教師,次いで第一高等学校講師(1889~93)を務めた。のち再び訪日して第四高等学校,第七高等学校の講師を歴任。この間,山県五十雄の協力で日本歴史の研究に従事し,メルボルン大学日本学教授となった。著書に『日本史』A History of Japan(3巻,1903~25)などがある。

マードック
Murdock, George Peter

[生]1897.5.11. コネティカット,メリデン
[没]1985.3.29. ペンシルバニア,デボン
アメリカの文化人類学者。エール大学で博士号を取得。 1960~73年ピッツバーグ大学教授。アメリカインディアン,ミクロネシア人などの現地調査を行い,通文化調査により人間行動の一般的法則の体系化に努めた。主著に,核家族の概念を提示した『社会構造』 Social Structure (1949) ,世界の民族誌的資料を分類,比較した"Ethnographic Atlas" (67) など。また 62年には民族学雑誌"Ethnology"を創刊,その編集を行なった。

マードック
Murdoch, James Edward

[生]1811.1.25. フィラデルフィア
[没]1893.5.19. シンシナティ
アメリカの俳優。せりふ回しにすぐれ,喜劇で人気を集めた。当り役は『から騒ぎ』のベネディック,『ロミオとジュリエット』のマキューシオなど。 1832年に誤ってヒ素を服用し,以来病身となるがその後も舞台活動を続けた。 58年に舞台を引退し,61年以後は朗読と講演活動に専念した。

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改訂新版 世界大百科事典 「マードック」の意味・わかりやすい解説

マードック
Iris Murdoch
生没年:1919-99

イギリスの女流小説家。ダブリン生れ。オックスフォード大学卒業後,ケンブリッジ大学で哲学を専攻。1948-63年,オックスフォード大学で哲学を教え,この間,評論家J.ベーリーと結婚。処女作はサルトルの哲学の唯我性を批判した《サルトル,ロマンティックな合理主義者》(1953)。処女小説《網の中》(1954)で認められ,その後,初期の《砂の城》(1957),《鐘》(1958)から《海よ,海》(1978),《尼僧たちと兵士たち》(1980)などに至るまで,力作長編をほぼ毎年,すでに20冊以上も発表しており,その多くが邦訳されている。現実は人間の望むようなこぢんまりした秩序で成り立つものではなく,人間はすべて不透明で,神秘的な,ほかのなにものにも還元できない独立の存在であるとする立場をとる。彼女の小説は,男女の愛,同性愛,近親相姦に至るあらゆる愛のテーマを中心に,複雑で巧みな構成の裏に一種哲学的,象徴的な思索を潜め,幻想的でありながら,きわめて濃密な現実感をもっている。1959年と67年の2度来日し,中世日本の宮廷を舞台とした戯曲《三つの矢》(1972)もある。
執筆者:

マードック
George Peter Murdock
生没年:1897-1985

アメリカの文化人類学者。コネティカット州に生まれる。1928年から60年までイェール大学で,その後はピッツバーグ大学で人類学の研究・教育に従事し,その間,数々の学会の要職を歴任した。人類学は人間の社会行動に関する科学として,社会学,行動心理学,精神分析学など隣接諸科学をふくむ総合的な見地から人間行動の普遍性を追究すべきだというのが彼の基本的な立脚点である。イェール大学で彼が発案した人間関係の通文化的調査の成果は,ヒューマン・リレーションズ・エリア・ファイルズ(略称HRAF,ハラフ)として現在もデータの蓄積が進行中である。著作としては《社会構造》(1949)がとくに有名で,親族組織の比較研究の開拓者として人類学史上多大な影響を及ぼした。
執筆者:

マードック
William Murdock
生没年:1754-1839

産業革命期のイギリスの技術者。水車大工の父の下で修業を積んだ後,1777年にバーミンガムのボールトン=ワット商会に入る。ちょうど排水用のワットエンジンが完成したころで,79年からは多数のワットエンジンが設置されていたコーンウォールにその保守,調整のために派遣された。98年バーミンガムに戻り,以後1830年まで指導的技術者として商会のソホー工場に勤めた。1792年ころから石炭や木の乾留ガスを用いたガス灯の実験に取り組み,1802年にはソホー工場にガス灯を設置,このガス灯による照明は後に工業的規模にまで発展した。このほか蒸気機関車の可能性をテストしたり,給水用の石パイプの設計をしたり,蒸気機関の改良をおこなった。
執筆者:

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朝日日本歴史人物事典 「マードック」の解説

マードック

没年:1921.10.30(1921.10.30)
生年:1856.9.27
夏目漱石の一高時代の教師。スコットランド辺境の貧家の出,アバディーン大卒。オーストラリアを経て来日。明治22(1889)年から一高で英語や歴史を教え,26年南米でコミューン運動に参加。挫折後は金沢,鹿児島などで教えつつ《A History of Japan》(全3巻)を著した。漱石は「博士問題とマードック先生と余」で恩師の人柄を回顧し「マードック先生の日本歴史」「現代日本の開花」で彼の日本近代化讃に疑義を呈した。大正6(1917)年シドニー大へ初代日本学教授として妻竹子と赴き,同地で死去した。「日本に於ける英国の隠者」といわれた。<参考文献>平川祐弘『漱石の師マードック先生』

(平川祐弘)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

百科事典マイペディア 「マードック」の意味・わかりやすい解説

マードック

英国の女性小説家。哲学者として《サルトル論》(1953年)もあるが,《網の中》(1954年)以後,《鐘》(1958年)《砂の城》(1957年)《切られた首》(1961年)《一角獣》(1963年)《ブラック・プリンス》(1973年)などの象徴的,物語的な小説で現代英国の第一線作家となる。《海よ,海》(1978年)でブッカー賞を受賞した。
→関連項目ベイリー

マードック

米国の人類学者。数多くの異なった社会について統計的比較文化研究法により,親族組織をはじめ文化の諸面について種々の仮説検証を試みた。著書《社会構造》(1949年)。
→関連項目核家族

マードック

ニューズ・コーポレーション[会社]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「マードック」の解説

マードック Murdoch, James

1856-1921 イギリスの教育者。
1856年9月27日生まれ。オーストラリアのグラマースクール校長をやめ,明治22年(1889)来日して一高,四高,七高などで英語・歴史をおしえた。山県五十雄(いそお)を助手にして「日本史」を刊行。大正6年離日。のちシドニー大東洋学科主任教授。1921年10月30日死去。65歳。スコットランド出身。

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367日誕生日大事典 「マードック」の解説

マードック

生年月日:1856年9月27日
イギリスの日本研究家
1921年没

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世界大百科事典(旧版)内のマードックの言及

【ネオ・ピカレスク小説】より

…一貫した筋はなく,挿話の連続で,主人公の性格上の発展や精神的成長はない。18世紀に消滅していたと思われたピカレスク小説(悪者小説)の復活のように考えられるが,例えばI.マードックの《網の中》(1954)に見られるように,人間実存についての哲学的な思索が,一見支離滅裂な物語を深部で支えているなど,作者の知性が作品にあふれているあたりに,〈ネオ(新)〉という言葉が冠されている理由がある。20世紀心理小説が直面した行詰りを解決する一つの道として,行動性と滑稽と活力にあふれた小説が登場したのである。…

【アフリカ】より

…歴史的には分裂や融合をくりかえしてきた。G.P.マードックはそれを文化史的立場から表のような10系統48群に分類した。 マードックはこの系統分類によって6000余りの部族を整理している。…

【核家族】より

…夫婦とその未婚の子からなる家族。nuclear family(核家族)という語は,アメリカの文化人類学者G.P.マードックがその著書《社会構造論》(1949)で初めて用いた。彼は未開社会の家族の研究結果から,社会集団の基礎単位として普遍的に存在している〈核家族〉に注目した。…

【家族】より

…【伊谷 純一郎】
【人間の家族】
 近親関係を中心に構成される最小の居住集団を〈家族〉とか〈世帯〉とかよんでいる。このような最小居住集団はかつては〈個別家族individual family〉〈基本家族elementary family〉などと名づけられていたが,最近では,G.P.マードックの提唱した〈核家族nuclear family〉の名称がひろく用いられている。ここではまず学問上,家族がどのように問題にされてきたかを概観し,以下では日本の場合を中心として家族観の変遷を述べ,さらに〈現代の家族〉について議論することとする。…

【氏族】より

…しかしのちになるとイギリスで,〈クラン〉の語源となったスコットランド人の氏族が,単系出自集団でも外婚集団でもないことに発し,新しく〈セプトsept〉という用語がW.H.R.リバーズによって唱えられるようになる。またアメリカでもR.H.ローウィによって,用語・概念の混乱をさけるべく,母系氏族・父系氏族を総称して〈シブsib〉という用語を用いるよう提案がなされ,さらにローウィの提案をうけて,〈シブ〉や〈リネージ〉は単系出自集団であるが,〈クラン〉は配偶者を含む単系出自にもとづく集団で,かつまた地域的制約のある居住集団に対してあてるべきだ,というG.P.マードックの提案も登場した。しかし今日では,用語としては〈クラン〉が代表的であり,概念としては単系出自集団と規定する学者が少なくない。…

【氏族制度】より

…しかも後者が,その血縁的紐帯を認めて,結婚した他氏族の異性の住地に移り住んだ成員をも,なお自己の氏族員として扱うようになれば,ここに単系的血縁原理を徹底せしめた氏族が生まれる。G.P.マードックはこのような〈純粋〉の氏族をシブsibとよび,単系的・外婚的な血縁集団の中核をなす男もしくは女の住地に移り住んだその配偶者をも成員に編入する氏族を,クランclanという語でこれと区別した。 また北東アジアの極地に半ば遊動の狩猟生活を営んでいたユカギール族も,かつては氏族とよばれる組織を最大の社会単位としていたが,彼らの氏族も共通の祖先から出たという血縁者の家族を中核として,これに同一地域に住むその他の家族を包括した。…

【親族名称】より

…他方,R.H.ローウィとキルヒホフPaul Kirchhoffは,それぞれ独自にモーガンの分類に1型を加え,世代型,双岐融合型,双岐傍系型,直系型の4分類とすることを提唱した。のちにG.P.マードックは《社会構造》(1949)のなかで,キョウダイおよび平行イトコ(父の兄弟の子ども,および母の姉妹の子ども),交叉イトコ(父の姉妹の子ども,および母の兄弟の子ども。いとこ婚)の類別様式に基づいて次の6類型を設定した。…

【父系制】より

…今日ではそれぞれの規制を区別して考えることが通例であり,諸規制の集合としての広義の〈父系制〉という概念は,個別社会の事例に照らして,諸規制の相関を考慮したものでなければならないとされる。サンプルの採用基準および分析方法について多分に問題視されてはいるが,父系制の特徴や傾向を概略的に知るひとつのヒントとして,アメリカの人類学者G.P.マードックの相関表を掲げておく(表)。この表は相続形態と居住規制,相続形態と出自規制の2種の相関を統計的に表したものである。…

【民族舞踊学】より

…(4)から(9)はそれぞれ1~7点が与えられる。以上の項目についてG.P.マードックの規定した233の文化より選び出した舞踊を調べ,日常の動作と舞踊の動きや異なる文化間の舞踊の動きの比較を行おうとしている。 舞踊研究はアメリカで近年盛んになり,カリフォルニア大学ロサンゼルス校やハワイ大学などに民族舞踊学の講座が置かれている。…

【ガス灯】より

…ガスが燃焼して発する光を利用する灯火。コークス生産の副産物のガスを照明に利用する技術は,18世紀後半ベルギー人J.P.ミンケレルスやフランス人P.ルボンが開発したとする説もあるが,イギリスのボルトン=ワット商会の技師であったマードックWilliam Murdock(1754‐1839)によって実用化された。1792年に実験工場をつくった彼は,1802年にアミアン条約の締結を祝ってバーミンガムのソーホー工場をガス灯で照明して大評判となった。…

【ガス灯】より

…ガスが燃焼して発する光を利用する灯火。コークス生産の副産物のガスを照明に利用する技術は,18世紀後半ベルギー人J.P.ミンケレルスやフランス人P.ルボンが開発したとする説もあるが,イギリスのボルトン=ワット商会の技師であったマードックWilliam Murdock(1754‐1839)によって実用化された。1792年に実験工場をつくった彼は,1802年にアミアン条約の締結を祝ってバーミンガムのソーホー工場をガス灯で照明して大評判となった。…

※「マードック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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