ミシオネス州(読み)ミシオネス(英語表記)Misiones

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミシオネス州」の意味・わかりやすい解説

ミシオネス〔州〕
ミシオネス
Misiones

アルゼンチン北東端の州。州都ポサダス。メソポタミア (「川の間の土地」の意) と呼ばれる地域の北部を占める州で,パラグアイとの国境をなすパラナ川 (北西) とブラジルとの国境をなすウルグアイ川 (南東) にはさまれて位置する。ブラジル高原の延長であるパラナ高原にあり,低い山地,峡谷,川などが入組んだ起伏に富む地形で,大部分が森林におおわれる。 17~18世紀イエズス会の宣教師がこの地域の先住民ガラニ族に対して活発な布教活動を行なったことがミシオネス (スペイン語で「伝道,布教」の意) の州名の由来。 1864~70年のパラグアイ戦争ののちアルゼンチン領となった。主産業は農業で,マテ茶 (パラグアイ茶) ,ワタトウモロコシ,タバコ,柑橘類などが栽培される。林業も盛んで,州都を中心に木材加工業が発達。北端部,ブラジルとの国境を流れるイグアス川には有名なイグアス滝がかかり,また州内各地に伝道集落の跡があり,観光資源となっている。主要交通路は水路と道路で,鉄道は西端部にある州都に通じる以外未発達。面積2万 9801km2。人口 78万 9677 (1991推計) 。

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