ミヤマカタバミ(英語表記)Oxalis griffithii

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミヤマカタバミ」の意味・わかりやすい解説

ミヤマカタバミ
Oxalis griffithii

カタバミ科多年草エイザンカタバミともいう。北海道を除く日本各地と中国,ヒマラヤに分布し,山地の樹陰に生える。北半球の冷温帯に広い分布をもつコミヤマカタバミ O. acetosellaの1変種とされ,分布域はやや暖帯寄りである。本州では母種が針葉樹林帯 (亜高山帯) の林床植物であるのに対し,その下部の落葉樹林に生じる。母種に比べて全体にやや大型であり,特に地下茎は斜めにはい,地表部は古い葉の葉柄基部で密におおわれる。葉はすべて根出葉で長柄をもち,広倒心臓形の3小葉から成り,葉と葉柄にわずかに毛がある。春,根もとから何本かの花茎を出し,その先端に白色花を1個ずつ生じる。萼片花弁とも5枚,花弁はときには淡紅紫色を帯びる。おしべは 10本,めしべは1本で花柱が5本出る。果実は長楕円形の 蒴果で熟すると開裂する。花後さらに閉鎖花つけ,よく結実する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「ミヤマカタバミ」の意味・わかりやすい解説

ミヤマカタバミ

エイザンカタバミとも。カタバミ科の小型の多年草。本州,四国深山林中にはえる。根茎は太く,葉は角ばったハート形〜三角形の3小葉からなる。春,葉間から花柄を出し,頂に白色,ないしわずかに紅色をおびた径約3cmの5弁花を単生する。花後さらに閉鎖花をつけ,よく結実。近縁のコミヤマカタバミは根茎が細長い。
→関連項目カタバミ

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android