日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ミュラー(ドイツの画家 Otto Müller)
みゅらー
Otto Müller
(1874―1930)
ドイツの画家。シュレージエンのリーバウに生まれる。石版画を修めたのち、1896~98年ドレスデン美術学校で絵画を学んだ。1908年ベルリンに住み、10年ヘッケルの誘いで表現主義のグループ「ブリュッケ(橋)」に加わった。15~18年第一次世界大戦による兵役ののち、20年ブレスラウ(ブロツワフ)の美術学校に迎えられ、同地で没するまで教鞭(きょうべん)をとった。ロマ(かつてはジプシーとよばれた)を母親にもつ彼は、しばしばハンガリー、ルーマニアなどを旅行してロマの生活を画題に取り上げた。筆触は粗く、色彩は淡く夢幻的で、妖精(ようせい)を思わせる裸婦の作が多い。代表作『ポーランドの家族』(エッセン、フォルクワング美術館)など。
[野村太郎]
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