ミユビトビネズミ(読み)みゆびとびねずみ(英語表記)three-toed jerboa

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミユビトビネズミ」の意味・わかりやすい解説

ミユビトビネズミ
みゆびとびねずみ / 三指跳鼠
three-toed jerboa
[学] Dipus sagitta

哺乳(ほにゅう)綱齧歯(げっし)目トビネズミ科の動物。カフカス北部から中国東北部までのステップ砂漠に生息し、植物を食べる。頭胴長11~15センチメートル、尾長14~19センチメートル、後足長6~7センチメートル。体重は春から夏は70~80グラムであるが、秋には90~110グラムにもなり、冬眠に入る。体色は暗褐色からセピア色まで変化に富む。夜行性で、餌(えさ)を探し歩くときは10~15センチメートルぐらい跳躍して移動する。驚いたときなど120~140センチメートルも跳躍しながら走る。地下トンネルを掘ってすむ。繁殖期は夏で、1産2~5子である。

[土屋公幸]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のミユビトビネズミの言及

【トビネズミ(跳鼠)】より

… およそ30種が知られ,ゴビ砂漠などにすむ後足の指が5本のイツユビトビネズミAllactaga sibiricaなどは5~6ヵ月間冬眠する。ロシアから中国まで分布する後足の指が3本のミユビトビネズミ(キタミユビトビネズミ)Dipus sagittaは妊娠期間25~30日,1産1~8子で,サハラとアラビアの砂漠にすむ後足の指が3本のアフリカトビネズミ(ヒメミユビトビネズミ)Jaculus jaculusは妊娠期間約40日,1産2~10子,飼育下での寿命は6年3ヵ月の記録がある。【今泉 忠明】。…

※「ミユビトビネズミ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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