ミョウバン(明礬)石(読み)みょうばんせき

改訂新版 世界大百科事典 「ミョウバン(明礬)石」の意味・わかりやすい解説

ミョウバン(明礬)石 (みょうばんせき)
alunite

化学組成KAl3(SO42OH6であらわされる鉱物六方晶系底面(0001)に良好なへき開がある。菱面体結晶または板状,鱗片状,塊状。モース硬度3.5~4,もろい。比重2.6~2.9。ガラス光沢。白,帯灰色,帯黄色,帯赤色,帯褐色。熱すると微音を発してはねる。火山岩地帯に熱水変質作用によって生ずる。アルミニウム,焼きミョウバン,カリ肥料などの原料として用いられた。日本では兵庫県栃原蠟石鉱床から産出するが,用途がなく廃棄されている。
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百科事典マイペディア 「ミョウバン(明礬)石」の意味・わかりやすい解説

ミョウバン(明礬)石【みょうばんせき】

化学組成がKAl3(SO42(OH)6硫酸塩鉱物。火山岩の熱水変質作用または硫気ガス,黄鉄鉱などから生じた硫酸岩石に作用してできる。結晶は菱(りょう)面体または六角板状で六方晶系。もろく,硬度3.5〜4,比重2.82。半透明でガラス光沢があり白〜灰色。カリ肥料の原料として利用された。

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世界大百科事典(旧版)内のミョウバン(明礬)石の言及

【ミョウバン(明礬)】より

…火山の昇華物として産することが多いが,黄鉄鉱の酸化で生じた硫酸のため,長石類が変成して生成することもある。またミョウバン石と呼ばれるものはKAl(SO4)2・2Al(OH)3のような組成の塩基性塩であって,ミョウバンではない。カリナイトやミョウバン石は硫酸酸性溶液から結晶させるとミョウバンが得られる。…

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