ミヨルニル(英語表記)Mjöllnir

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミヨルニル」の意味・わかりやすい解説

ミヨルニル
Mjöllnir

北欧神話の雷神トルが武器として愛用する,いかずちを象徴する鉄槌鍛冶名人の侏儒シンドリとその兄弟のブロックにより,オーディン黄金の指輪ドラウプニルおよびフレイ乗物の金毛のいのししと一緒につくられて献上され,神々により,すべての神宝のなかで最も貴重な品と判定された。伸縮自在で,ブーメランのように,敵に向って投げつけるとまたトルの手に戻り,また何をどのように強く打っても決して欠けることのない強力無比な武器だが,ただ製造の途中で,ブロックが悪神ロキの妨害にあい,ほんの一瞬間だけふいごを動かす手をとめたために,柄が少し短い欠点を有したという。

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