ミンマン(明命)帝(読み)ミンマンてい(英語表記)Minh Mang

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミンマン(明命)帝」の意味・わかりやすい解説

ミンマン(明命)帝
ミンマンてい
Minh Mang

[生]1791. サイゴン
[没]1841. ユエ
ベトナム,阮朝第2代の皇帝 (在位 1820~41) 。廟号は聖祖。第1代嘉隆帝 (→阮福映 ) の第4子であったが,兄たちが死亡したため 1816年皇太子となった。 20年ユエ (順化) で即位したのち,中央集権的な内政改革を行なった。統治イデオロギーとして儒教を重視し,中国文化を愛好した反面,西洋文化,特にキリスト教に強い反感をいだき,その布教を禁止し弾圧した。対外的にはカンボジアを併合し,ラオスも勢力下に収めて大帝国を築くと同時に,国内での諸政策,諸建設によって阮朝の最盛期を迎えた。しかしヨーロッパ諸国に対しては国交も開かず,事実上鎖国状態を続けたので,次第にその反感を買うにいたった。

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