精選版 日本国語大辞典 「メシエ」の意味・読み・例文・類語
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フランスの天文学者。星雲星団目録の最初の作成者。ロレーヌ地方の出身で、1751年パリに出て、天文学者ドリールJoseph-Nicolas Delisle(1688―1768)の観測所に雇われ記録係を務めた。ハリー彗星(すいせい)の近日点通過が予言されていた1759年、ドリールの指示によってその観測にあたり、以来、彗星の発見と観測に打ち込む。1760年ドリール引退後、実権を得て、21個の彗星を観測し、うち15個は彼自身の発見とされる。1764年王立協会会員となり、1770年にはフランスほか数か国のアカデミー会員に列せられた。また、彗星に見違えやすい天体、つまり星雲と星団を選別するためにその目録(メシエ・カタログ)を作成し、1771年には45個、1786年までに計109個を登録した。この記載ではたとえばM1がおうし座かに星雲である。
[島村福太郎]
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フランスの天文観測家。1751年パリで天文学者ドリールJ.N.Delisle(1688-1768)の手伝いとしてやとわれ,その後航海天文台の事務員となった。1758-59年にハリーすい星の再来をフランスで初めて観測した。それからすい星発見に没頭して,ルイ15世から〈すい星発見の名手〉と呼ばれ,15~16個の新すい星を独立発見した。その間,すい星とまぎらわしい星雲状天体の位置を記録して,71年に45個の,81年に改訂して103個の表(メシエ星表)を発表した。今でもそのカタログ番号Mが天体名としてしばしば用いられる。
執筆者:石田 蕙一
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… 空には惑星や恒星のほかに,星雲と呼ばれるぼんやりしたかすかな天体が多数見られる。フランスでC.メシエが103個の星雲や星団の表を作成した(1781)のに続き,ハーシェル父子をはじめ多くの観測者がさまざまな星雲表を発表した。肉眼でも認められるアンドロメダ星雲をはじめとするこれらの星雲は,すでにライトやカントによって銀河系と同様に多数の恒星の集りであると憶測され,その後ドイツのA.vonフンボルトはこれらの系を島宇宙と呼んだ(銀河系外の銀河の呼名として今日もなお使われることがある)。…
…75年,木星の衛星の食の観測から光速度を求めたO.C.レーマーの有名な仕事もここで行われた。18世紀に入ると,パリ天文台の観測家たち,例えばN.L.deラカイユは南アフリカへ赴いて南天星の組織的研究を行い,C.メシエは星雲,星団,銀河103個を含むメシエ星表を発表して,恒星・銀河天文学の歴史を開いている。19世紀後半の1876年には,パリ郊外にムードン天体物理天文台を建設し,口径1mの反射,83cmの屈折両望遠鏡や太陽観測装置を備えて新しい活動を開始した。…
※「メシエ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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