メソ形(読み)メソがた(英語表記)meso form

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メソ形」の意味・わかりやすい解説

メソ形
メソがた
meso form

同一分子内に互いに対掌的構造の関係にある2個の不斉中心をもっていて,この立体配置のために旋光性が分子内で消却されて光学的に不活性な化合物をメソ形という。 例を下に示す。 図において,不斉炭素原子*C1*C2の部分とは偏光面を同じ角度だけ逆方向に回転するため,この分子は光学不活性となる。 光学対掌体,d 体および l 体は偏光面の回転性と生物学的反応以外の物理化学的性質は同じであるが,メソ形はこれらの性質が dl 体と異なる。たとえば d -および l -酒石酸はいずれも融点 170℃,メソ酒石酸は 160℃である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android