メリダのローマ劇場(読み)メリダのローマげきじょう

世界の観光地名がわかる事典 「メリダのローマ劇場」の解説

メリダのローマげきじょう【メリダのローマ劇場】

スペイン中西部、グアディアナ川の北岸に市街が広がるエストレマドゥーラ州州都メリダMerida)にある古代ローマの遺跡。メリダはスペインの中で最も歴史の古い町の一つで、紀元前25年にローマ人により「エメリタアウグスタ」という名前の町として建設されたのが始まりである。その後、ローマ属州のルシタニアの州都として重要な役割を担った。こうしたことから、メリダには数々のローマ時代の遺跡が残っている。ローマ劇場はその主要な遺跡の一つで、紀元前24年に、ローマ帝国初代皇帝アウグストゥスの腹心・アグリッパにより、6000人収容の施設として建設され、2世紀には列柱と皇帝や女神の彫像で飾られた舞台壁がつくられた。現在、この遺構を会場にして、毎年「メリダ古典演劇祭」が開催されている。このほかメリダ周辺には、トラヤヌス帝時代の凱旋門、長さ792mのローマ橋、ロスミラグロスの水道橋跡などがあり、世界遺産に登録されている。

出典 講談社世界の観光地名がわかる事典について 情報

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