メルバ(英語表記)Melba, Dame Nellie

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メルバ」の意味・わかりやすい解説

メルバ
Melba, Dame Nellie

[生]1861.5.19. リッチモンド
[没]1931.2.23. シドニー
オーストラリアのソプラノ歌手。本名 Helen Armstrong,旧姓 Mitchell。6歳のときリッチモンド公会堂で歌ったが,その後ピアノ,オルガン,音楽理論を学び,1882年 C.アームストロングと結婚後,声楽家に転向した。 86年にロンドンに行き,さらにパリで M.マルケージ夫人に師事,87年にブリュッセルでデビューした。その後スカラ座メトロポリタンコベントガーデンなど欧米の歌劇場でコロラトゥーラ・ソプラノの美声を聞かせ,1918年にイギリスからデイムの称号を得た。 26年以降は母国でメルボルン音楽院の学長をつとめた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「メルバ」の意味・わかりやすい解説

メルバ
めるば
Nellie Melba
(1861―1931)

オーストラリアのソプラノ歌手。本名Helen Porter Mitchel。幼少時から美声の持ち主として知られたが、離婚を機に声楽家になることを決心、1886年にロンドン、ついでパリで声楽を学ぶ。87年にブリュッセルでデビュー。この際故郷メルボルンをもとにメルバという芸名を称した。翌88年以降ロンドン、パリ、ペテルブルグなどの主要歌劇場で歌い大成功を博した。以後1920年代まで、当代随一のコロラトゥーラ・ソプラノとして、ロンドンのコベント・ガーデン王立歌劇場を中心に、1926年に引退するまで世界各地で活躍、澄みきった美声と卓抜技巧でオペラ・ファンを魅了した。

[美山良夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android