メルラーナ街の惨劇(読み)メルラーナがいのさんげき(英語表記)Quer pasticciaccio brutto de via Merulana

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メルラーナ街の惨劇」の意味・わかりやすい解説

メルラーナ街の惨劇
メルラーナがいのさんげき
Quer pasticciaccio brutto de via Merulana

イタリア小説家カルロ・エミーリオ・ガッダの小説。 1957年刊。ローマのメルラーナ街で起きた殺人事件を1人の刑事が捜査してゆく物語だが,多様なエピソード展開と独特の文体によって,読者は翻弄され,次第に混迷錯綜のうちに導かれ,事件は解決をみないまま終る。ネオレアリズモ文学の行きづまりを打開する形で登場したこの作品は,1960年代前衛文学の先駆として,重要な位置を占めている。

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