ヤウンデ(読み)やうんで(英語表記)Yaoundé

デジタル大辞泉 「ヤウンデ」の意味・読み・例文・類語

ヤウンデ(Yaoundé)

カメルーン共和国首都。同国南部標高約750メートルの高原にある商業都市カカオなどの集散地。19世紀末、ドイツ領時代に象牙交易の拠点として建設され、フランス領時代に首都となった。ギニア湾岸の港湾都市ドゥアラ鉄道が通じる。人口行政区129万(1998)。

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精選版 日本国語大辞典 「ヤウンデ」の意味・読み・例文・類語

ヤウンデ

(Yaoundé) カメルーン共和国の首都。同国南部にあり、中部アフリカ内陸のコーヒー・ココア・サトウキビなどの物資集散地。タバコ・ビール製造業が行なわれる。一八八八年ドイツ植民地時代に建設された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤウンデ」の意味・わかりやすい解説

ヤウンデ
やうんで
Yaoundé

アフリカ中部、カメルーンの首都。同国のドゥアラに次ぐ大都市で、人口124万8200(2001推計)、181万2169(2010推計)。同国南部内陸の標高750メートル前後の高原に位置する政治、文化の中心地であり、中央官庁大学(国立ヤウンデ大学、ミッション系など数校の私立大学)、研究機関などが集中している。経済的地位はドゥアラのほうが高いが、ヤウンデはカカオ栽培地域の中心地で、内陸における物資の集散地である。街はずれにビール、たばこ、カカオなどの工場があるが、工業は盛んではない。農村地域からの人口流入が続き、住宅が不足ぎみである。周辺部に出身地方別の密集した市場や居住区があり、高層化の進む官庁街商業区とは対照をなしている。1993年、南方約15キロメートルのンシマレンNsimalenに国際空港が開港し、アクセスが便利になった。町の基礎は、1888年ドイツ領時代に熱帯降雨林を切り開いてつくられた。1921年以降、1940~1946年を除きフランス領カメルーンの首都で、1960年の独立後も引き続き首都となっている。

門村 浩]

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改訂新版 世界大百科事典 「ヤウンデ」の意味・わかりやすい解説

ヤウンデ
Yaoundé

アフリカ中西部,カメルーン連合共和国の首都。人口112万(2002)。国の中南部で,大西洋岸のドゥアラ港から鉄道で約200kmの内陸にある。コーヒー,カカオ,サトウキビ,アラビアゴムの集散地で,食品加工,タバコ,木工,陶器,ガラスなどの軽工業が発達している。国立大学その他の教育・文化施設もあり,政府諸機関とともに近代的な都市としての性格をもっている。1888年ドイツ人によって象牙交易の基地として建設され,第1次世界大戦中ベルギー軍に占領されたが,戦後フランスの委任統治領カメルーンの主都となった。1940-46年はドゥアラにその地位を譲ったが,その後フランスの信託統治領の主都,60年のカメルーン独立後はその首都となった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤウンデ」の意味・わかりやすい解説

ヤウンデ
Yaoundé

カメルーンの首都。同国南西部の内陸,湖水や小河谷など地形変化に富む標高約 700mの丘陵上に位置。 1888年ドイツ統治時代に建設。 1915年ベルギー軍が占領,1922年フランス領カメルーンの首都となり,1940~46年一時ドゥアラに遷都したが 1960年の独立とともにカメルーンの首都となった。鉄道でドゥアラ港と結ばれ,政治,商業,交通の中心地として発展。市街周辺には,食品,たばこ,煉瓦,タイル,印刷などの軽工業が立地。周辺農村部ではカカオ,コーヒーの栽培が盛んで,それらの集散地でもある。カメルーン大学,カメルーン中央学術研究所,気象台など文化・教育施設も多い。人口 180万1000(2010)。

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百科事典マイペディア 「ヤウンデ」の意味・わかりやすい解説

ヤウンデ

カメルーンの首都。行政の中心で,付近の農産物の集散地。ギニア湾岸のドゥアラと鉄道で結ばれ,空港,大学(1962年創立)がある。象牙交易の基地として1888年ドイツが創設。第1次大戦後フランス領カメルーンの主都。181万7524人(2005)。
→関連項目カメルーン

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