ヤドリギ(宿木)(読み)ヤドリギ(英語表記)Viscum album var. coloratum; mistletoe

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤドリギ(宿木)」の意味・わかりやすい解説

ヤドリギ(宿木)
ヤドリギ
Viscum album var. coloratum; mistletoe

寄生木とも書く。ヤドリギ科の常緑半寄生の小低木で,ホヤまたはトビヅタともいう。アジア東部に分布し,エノキによく寄生し,ケヤキ,サクラの類,ハンノキなどの広葉樹にも寄生する。茎は無毛緑色の円柱形で2~3回叉状に分枝する。葉は対生し,先の丸い披針形で厚い革質である。雌雄異株。早春,枝先の葉の間に小型の黄緑色の花をつける。萼は鐘形で厚く4裂する。雄花おしべは花糸を欠き,葯 (やく) が萼片の内側につく。雌花では,子房下位柱頭が短く,花の下方に杯形の小包葉がある。果実は球形で淡黄色に熟し,中に1個の種子があって粘液物を含み他物に粘りつく。ヨーロッパではこの実のついた枝をクリスマスの飾りつけに使う。

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