ユニオンミニエール会社(英語表記)Union Minière

改訂新版 世界大百科事典 「ユニオンミニエール会社」の意味・わかりやすい解説

ユニオン・ミニエール[会社]
Union Minière

1906年にベルギー,イギリスの資本提携によって設立されたベルギー領コンゴ(現,コンゴ民主共和国)最大の鉱山会社。正式名称ユニオン・ミニエール・ドゥ・オー・カタンガUnion Minière du Haut-Katanga。1990年3月までの期限で広大なカタンガ州(現,シャバ州)の鉱業権を独占することが認められ,着実に発展を遂げた。コバルト,銅その他の鉱物資源の大規模開発を行ったばかりでなく,鉱業以外にもカタンガのほとんどの分野の企業の管理権を握り,コンゴ経済に支配的な影響力を及ぼした。コンゴが1960年に独立したのちもその影響力は保たれ,第1次コンゴ動乱(1960年7月~63年1月)では,背後にあってカタンガの分離独立を支持したともいわれている。その後67年にモブツ政権のもとで国有化され,ジェカミンGÉCAMINES(ジェネラール・デ・キャリエール・エ・デ・ミン・ドゥ・ザイールGénérale des Carrières et des Mines du Zaïre)という名称の国営企業へと改組された。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のユニオンミニエール会社の言及

【シャバ[州]】より

…名高いのは鉱産で,とくに南部はザンビア北部にのびるいわゆるコッパー・ベルトに属し,銅をはじめ各種地下資源で世界に知られる。【戸谷 洋】 コッパー・ベルトの銅などの鉱物資源は19世紀末コンゴ自由国の手で発見,開発され始めたが,1906年にイギリス,ベルギーの資本提携によって設立された大規模鉱山会社ユニオン・ミニエール社の手によって,その開発は本格化した。同社は66年末にモブツ政権のもとで国有化されるまで,莫大な利益をベルギーその他関係諸国にもたらした。…

※「ユニオンミニエール会社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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