ユーコミス(読み)ゆーこみす

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ユーコミス」の意味・わかりやすい解説

ユーコミス
ゆーこみす
[学] Eucomis

ユリ科(APG分類:キジカクシ科)の耐寒性春植え球根草。根出葉は長楕円(ちょうだえん)形で長さ40~60センチメートル。パイナップルリリーともよばれるように、7~8月に太い花茎を出し、白または黄白色の星形の小花を穂状に密生し、その花穂の先端にさらに長さ約10センチメートルの小葉を束生する。南アフリカ原産。矮性(わいせい)種と高性種があり、花壇鉢植え、切り花に利用される。ポール・エバンシー種E. pole-evansii N.E.Brownは高性種で、8月ころ、1.5メートルに達する花茎に乳白色の小花を開く。オータムナリス種E. autumnalis Chitt.は花茎約60センチメートル、淡緑色花を開く。3~4月、排水日当りのよい、肥沃(ひよく)な場所に植える。茎葉が枯れたら掘り上げて貯蔵するか、そのまま越冬させる。繁殖は分球による。

[平城好明 2019年4月16日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ユーコミス」の意味・わかりやすい解説

ユーコミス
Eucomis; pineapple lily

ユリ科ユーコミス属の総称。南アフリカに約 10種,中央アフリカに1種が分布する球根植物で,披針形の葉が根出し,中心部から太い花茎を伸ばす。茎頂に小花が穂状に密生してつき,上部に葉状の包が束生する。その様子がパイナップルを思わせるため,英名はパイナップル・リリーという。花被片は6個あり,ひとつひとつの花は星のようにみえる。花色は黄白色のほか,白色や桃色品種もあり,切り花や花壇に利用される。日当りと水はけのよい場所が適する。比較的耐寒性が強く,冬期も球根を掘上げる必要はない。

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