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略称EPU。ヨーロッパ支払同盟ともいう。ヨーロッパ経済協力機構(OEEC)の下部機構で、それに加盟する西欧18か国をメンバーとし、これら各国相互間の対外収支の多角的な決済を目的とした機構である。1950年9月に調印され、7月にさかのぼって実施された。その構想は、国際通貨基金(IMF)設立時のケインズ案(国際清算同盟案)にきわめて類似していた。EPUは多角的決済制度と自動的信用供与の二つの機能により、西欧諸国間の貿易拡大と自由化に大きく貢献した。EPUの基金はマーシャル援助からの資金と加盟国の出資からなり、業務は国際決済銀行(BIS)が代行した。58年末、西欧主要通貨の交換性回復に伴ってEPUは発展的に解散し、多角的決済制度はヨーロッパ通貨協定(EMA)に、信与供与機構は修正のうえヨーロッパ基金にそれぞれ継承された。
[土屋六郎]
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