ラサル

精選版 日本国語大辞典 「ラサル」の意味・読み・例文・類語

ラ‐サル

(Antoine de La Sale アントワーヌ=ド━) 中世フランス作家戦士としてヨーロッパ各地を遍歴主著の中世末期の騎士道の姿を書いた「小姓ジャン=ド=サントレ」は、近代写実小説の先駆的作品。(一三八五頃‐一四六〇頃

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デジタル大辞泉 「ラサル」の意味・読み・例文・類語

ラ‐サル(Antoine de La Sale)

[1385ころ~1460ころ]フランスの物語作家。騎士道恋愛観に新しい解釈を与えた散文物語「小姓ジャン=ド=サントレ」で有名になった。

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改訂新版 世界大百科事典 「ラサル」の意味・わかりやすい解説

ラ・サル
Antoine de La Sale
生没年:1388-1461ころ

フランス中世末期の物語作者。14世紀末にイタリアなどで活躍した有名な傭兵隊長の子としてアルル近くに生まれる。早くからアンジュー伯家に小姓として仕え,生涯の大半をその宮廷で過ごす。その間ヨーロッパ各地を旅し,戦争や騎馬試合に参加,その時の体験から《昔日の騎馬試合と兵法要綱》(1459)その他の著作が生まれる。それよりさきアンジュー伯家の子弟教育のために道徳書《兜》(1437),《広間》(1451)などを著す。しかし彼の最も重要な作品は《小姓ジャン・ド・サントレ》(1456)である。ここで作者は聖職者と騎士の恋の鞘当てという13世紀以来の主題に一つ新しい展開を与え,若い騎士に軍配を挙げて中世騎士道の最後を飾る。これは封建的中世末期の最も生彩に富む文学的記録であり,その即物的レアリスムによって近代的散文を準備した。
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