ラロ(英語表記)Édouard Lalo

精選版 日本国語大辞典 「ラロ」の意味・読み・例文・類語

ラロ

(Édouard Lalo エドゥアール━) フランス作曲家、バイオリニストスペイン人家系に生まれ、パリ音楽院に学び、弦楽四重奏団のビオラ奏者となり、のち作曲でも活躍。「スペイン交響曲」は特に有名。(一八二三‐九二

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デジタル大辞泉 「ラロ」の意味・読み・例文・類語

ラロ(Édouard Lalo)

[1823~1892]スペイン系のフランスの作曲家。ロマン的で色彩感豊かな管弦楽法で知られる。作品に「スペイン交響曲」など。

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改訂新版 世界大百科事典 「ラロ」の意味・わかりやすい解説

ラロ
Édouard Lalo
生没年:1823-92

フランスの作曲家。リール音楽院およびパリ音楽院で学ぶ。作曲を試みるが注目されず,一時作曲を断念し,1855年創立のアルマンゴー四重奏団のビオラ奏者(のち第2バイオリン奏者)となる。ウィーン古典派の室内楽の紹介に努め,1850年代のフランスにおける室内楽の目ざめに大きく貢献した。65年ころから作曲を再開し,サラサーテ独奏で初演された《バイオリン協奏曲ヘ長調》(1874)および《スペイン交響曲》(バイオリン協奏曲。1875)により初めて大成功をおさめ,念願の劇音楽では《イスの王》が喝采を博し(1888初演),ようやく作曲家としての名声を獲得した。その作風はフランクの一派や印象派とは異質で,ボロジンスメタナに近い力強い個性を発揮している。
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百科事典マイペディア 「ラロ」の意味・わかりやすい解説

ラロ

フランスの作曲家。父母ともにスペイン系。生地のリール音楽院とパリ音楽院に学ぶ。作曲家としてなかなか認められず弦楽四重奏団のビオラ奏者・第2バイオリン奏者として活動したが,1860年代後半から作曲に専念。ともにサラサーテにより初演された《バイオリン協奏曲》(1873年),バイオリンと管弦楽のための《スペイン交響曲》(1874年)によって名声を得,19世紀後半のフランス楽壇にあって異色の作風を示した。代表作にはほかに,《チェロ協奏曲》(1877年),バレエ音楽《ナムーナ》(1882年),オペラ《イスの王》(1875年−1887年,初演1888年)など。室内楽曲や歌曲も残した。
→関連項目リファール

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラロ」の意味・わかりやすい解説

ラロ
Lalo, (Victor-Antoine-)Édouard

[生]1823.1.27. リール
[没]1892.4.22. パリ
フランスの作曲家。スペイン系の軍人の家に生れ,パリ音楽院で学んだ。 1848年歌曲集を発表したが,55年からビオラ奏者となる。のち再び作曲に戻り,74年『バイオリン協奏曲ヘ長調』,75年『スペイン交響曲』が P.サラサーテにより初演され,一躍有名になった。ほかにバレエ音楽『ナムナ』 (1882初演) やオペラ『イスの王様』 (88初演) など,大胆な楽想による異国風で華麗な作品が多い。

ラロ
Lalo, Charles

[生]1877.2.24. ヘリグー
[没]1953.4.1. パリ
フランスの美学者。 1933年ソルボンヌ大学教授。芸術のなかには多くの声部が対位法的に存在するという芸術観をもち,特に芸術の社会学的考察に力を注いだ。主著は『芸術と社会生活』L'Art et la vie sociale (1921) ,『芸術における生の表現』L'Expression de la vie dans l'art (33) 。

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ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者) 「ラロ」の解説

ラロ

フランスのリール生まれ。作曲家、ヴァイオリン、ヴィオラ奏者。リール音楽院にてヴァイオリンとチェロを学び、1839年(16歳)にパリ音楽院でアブネックのヴァイオリンのクラスに籍を置く。この間に、ピアニス ...続き

出典 (社)全日本ピアノ指導者協会ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者)について 情報

367日誕生日大事典 「ラロ」の解説

ラロ

生年月日:1877年2月24日
フランスの美学者
1953年没

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世界大百科事典(旧版)内のラロの言及

【バイオリン】より

…弓で演奏する擦弦楽器の一種。16世紀の初めに北イタリアで生まれ,その衰退が始まる20世紀に至るまでの約300年の間,ヨーロッパの器楽の歴史のなかで,独奏・合奏楽器として重要な役割を果たした。バイオリンはビオラチェロコントラバスとともにバイオリン族と呼ばれる擦弦楽器の一族を形成し,そのなかの最高音域を受け持っている。コントラバスはもとはビオル族に由来する楽器であるが,通常バイオリン族に数えられる。…

【フランス音楽】より


【芸術音楽】
 十数世紀にわたる音楽の流れを若干の特質に要約するのは,時代による差異を忘れるおそれがあり危険な仕事だが,一応のめやすを置くにとどめるという限定の上でこれを試みることにする。フランス音楽の精神は,ドイツ・オーストリア音楽を中心とする北方的なそれのように,重く情緒的あるいは抽象的・思弁的でもなく,またイタリア音楽に代表される南方的なそれのように,感性的・感情的なものの流露をとりわけ優先させもしない。…

※「ラロ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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