家庭医学館 「ランパント・カリエス」の解説
らんぱんとかりえす【ランパント・カリエス Rampant Caries】
一度にかなり進行したむし歯が多数の歯にみられるもので、汎発性(はんぱつせい)う蝕(しょく)ともいいます。早い時期に歯髄(しずい)がおかされやすい特徴があります。多数の歯の歯ぐきとの境の部分が同時に褐色に変色し、歯がとけてやわらかくなります。
以前は、このように多くの歯におよぶむし歯をもつ子どもが多数みられましたが、最近ではほとんどみかけなくなっています。
この場合のむし歯のできる過程はふつうのむし歯と同じで、むし歯に対する抵抗力の弱い歯(2歳~5、6歳の乳歯(にゅうし)および11~19歳までの永久歯(えいきゅうし))にできます。原因は、糖分のとりすぎや、飲食の回数が多いことです。
治療は、ふつうむし歯の治療と同様に、むし歯の病変部をとり除きそこに金属やレジンなどをつめ、フッ素療法、歯垢(しこう)の除去や歯みがきの指導などを行ないます。