ランプ議会(読み)らんぷぎかい(英語表記)Rump Parliament

翻訳|Rump Parliament

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ランプ議会」の意味・わかりやすい解説

ランプ議会
らんぷぎかい
Rump Parliament

イギリスピューリタン革命において、プライド追放後、残った議員から構成された議会残部議会ともいう。第一次内戦の開始によって議会はすでに半数余りの議員を失っていたが、追放の結果さらに減り、事実上わずか70名たらずの議員を残すのみとなった。この議会はただちに国王犯罪を裁判する特別裁判所を設置し、1649年1月、ついに国王を処刑した。その後ランプ議会は解散せずに補欠選挙によって議員を補充しつつ、3月には共和制を宣言して貴族院を廃止し、続いてアイルランド、スコットランド征服に乗り出した。しかし、軍隊と議会の対立は依然解消せず、1653年4月、ランプ議会はクロムウェルの率いる軍隊によって実力をもって解散させられたが、1659~60年に一時復活した。(書籍版 1988年)
小泉 徹]

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ランプ議会」の解説

ランプ議会(ランプぎかい)
Rump Parliament

残部議会ともいう。ピューリタン革命における長期議会一時期蔑称。1648年末の長老派議員の追放によって,独立派のみで構成されたためランプ(残部)と呼ばれた。53年クロムウェルによって解散させられ,王政復古直前に一時復活した。

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旺文社世界史事典 三訂版 「ランプ議会」の解説

ランプ議会
ランプぎかい
Rump Parliament

ピューリタン革命中の1648年,長老派議員を追放し,独立派議員だけで開いた議会。残部議会・臀部議会ともいう
議員数約50名。チャールズ1世の処刑,共和政宣言を行ったが,1653年クロムウェルによって武力で解散させられた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ランプ議会」の意味・わかりやすい解説

ランプ議会
ランプぎかい

長期議会」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のランプ議会の言及

【長期議会】より

…内乱において議会は,軍事・行政・財政の機構を整え,革命派の中央機関として機能した。しかしやがて長老派と独立派の抗争の舞台となり,48年12月,軍隊をおさえた独立派によって長老派議員は追放され(プライド・パージ),当初500人ほどあった下院の構成員はわずか60人ほどになり,ランプ(残部)議会とよばれた。この議会が国王処刑を準備し,また一院制共和国の主体となった。…

※「ランプ議会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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