日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
リウトプランド(ランゴバルド国王)
りうとぷらんど
Liutprand
(690ころ―744)
ランゴバルド国王(在位712~744)。ロターリ王(在位636~652)の立法事業とイタリア統一政策を継承し、ビザンティン帝国がイスラムの攻撃にさらされていたのを好機に、ビザンティン勢力をイタリアから一掃しようとし、またローマ教皇および独立性の強いベネベント、スポレトらのランゴバルド系諸侯を強力な統制下に置こうと試みた。この政策が成功するためには、フランク王国に中立的態度を保たせる必要があり、リウトプランドは、フランク宮宰カール・マルテルの対アラブ戦争を軍事的に支援して、フランクとの友好関係を維持しようと努めたが、彼の治世に高揚をみたランゴバルドの部族意識も、その死とともに急速に弱まった。
[平城照介]