リコール[自動車](読み)リコール[じどうしゃ](英語表記)recall

翻訳|recall

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リコール[自動車]」の意味・わかりやすい解説

リコール[自動車]
リコール[じどうしゃ]
recall

自動車の構造,装置,性能に関して設計上または製造上の欠陥が発見された場合,製造会社が欠陥車両を回収し,修理など改善措置を行なうこと。日本では,国土交通省省令「道路運送車両の保安基準」の規定に適合しなくなるおそれがあると認められる場合に,対象となる。1969年5月,アメリカ合衆国の新聞が,日本車メーカーは欠陥を公表していないと指摘したことに端を発し,日本国内でも欠陥車が大きな社会問題として注目された。リコール制度は,アメリカでは 1966年の国家交通・自動車安全法に基づいて施行されており,日本では 1969年8月の運輸省令の改正で制度化された。1995年には,国土交通省によるリコール勧告や罰則などに関する規定が盛り込まれた改正道路運送車両法が施行された。また同法の改正により,2003年にリコール命令が導入され,罰則も強化,2004年流通量の多い後付装置であるタイヤチャイルドシートもリコールの対象となった。アメリカと日本のほか,カナダ,オーストラリア,ヨーロッパ連合 EUなどでも運用されている。(→製造物責任法

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