リン(燐)灰ウラン石(読み)りんかいウランせき

改訂新版 世界大百科事典 「リン(燐)灰ウラン石」の意味・わかりやすい解説

リン(燐)灰ウラン石 (りんかいウランせき)
autunite

ウラン二次鉱物中の主要グループであるウラン雲母族の代表種。組成Ca(UO22(PO42・10~12H2O。カルシウムは他の陽イオンで,リンはヒ素で,それぞれ置換できるため,見かけの似た類縁種が多い。乾燥により結晶水の一部は容易に失われ,メタリン灰ウラン石となる。酸に可溶。正方晶系。鮮黄~黄緑色,透明~半透明。モース硬度2~2.5。比重3.1。紫外線により鮮黄緑色の強い蛍光を発する。四角板状の自形結晶の集合体または不定形の皮膜として産出底面平行なへき開が発達し,雲母に似た見かけをとるものも多い。各種のウラン鉱床酸化帯に産し,濃集部では鉱石鉱物として採掘の対象とされることもある。
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百科事典マイペディア 「リン(燐)灰ウラン石」の意味・わかりやすい解説

リン(燐)灰ウラン石【りんかいウランせき】

ウランの鉱石鉱物。組成はCa(UO22・(PO42・10〜12H2O。正方晶系。雲母状にへき開する薄板状結晶。硬度2〜2.5,比重3.05〜3.2。黄・緑黄・淡緑色真珠光沢がある。センウラン鉱などの酸化によって二次的に生成

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