リンゴ(林檎)(読み)リンゴ(英語表記)Malus pumila; apple; crab

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リンゴ(林檎)」の意味・わかりやすい解説

リンゴ(林檎)
リンゴ
Malus pumila; apple; crab

バラ科の落葉高木。アジア中西部やインドの原産といわれ,日本には鎌倉時代に中国を経て渡来した。これはワリンゴまたはジリンゴと呼ばれるもので,今日,果樹として栽培されている系統は,主として幕末以後明治期に渡来したセイヨウリンゴの改良種である。セイヨウリンゴも種としては同一種できわめて古い時代に原産地からヨーロッパへ移入され,改良を重ねられた品種群である。樹高 6m,葉は卵形,鋭尖頭で帯白緑色をし,若葉には軟毛がある。春に,白色で径 3cmほどの美しい5弁花をつける。食用にする部分は花托の肥厚したもので,真の果実は芯の部分に相当する。リンゴは古くから広く栽培されてきたもので,2000年も前にすでに 22種の変種が数えられたといい,ヨーロッパやアメリカで改良が重ねられた結果今日では 1000をもって数えるほどの品種がある。

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百科事典マイペディア 「リンゴ(林檎)」の意味・わかりやすい解説

リンゴ(林檎)【リンゴ】

ヨーロッパ南東部からアジア中部の原産といわれるバラ科の落葉低木または高木。一般に冷涼な気候を好む。葉は鋸歯(きょし)のある楕円形で互生する。花はふつう白〜帯紅白色で,子房は花托に包まれ,食用にするのは花托の部分。ふつう5月に開花。果実は球形,卵形,楕円体,扁円体など品種により種々あり,早生ものでは8月,ふつうは10月ごろから収穫する。日本には在来の和リンゴがあったが,今日食用に栽培されているものは,明治になって米国などから導入されたものの子孫である。おもな品種に,ふじ,むつ,つがる,祝,スターキング,ゴールデンデリシャス印度,旭,世界一などがある。青森,長野が二大生産地。果実は生食するほか,ジャム,ジュース,ゼリー,シロップ,リンゴ酒,ビネガーなどの原料とする。

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