リンゴ病(読み)りんごびょう

知恵蔵mini 「リンゴ病」の解説

リンゴ病

ヒトパルボウイルスB19による感染症。正式名称は「伝染性紅斑」だが、紅斑と呼ばれる発疹により頬が赤くなることから「リンゴ病」と称される。感染者の咳や手を介してウイルスが口に入った場合に感染する可能性がある。3~12歳の幼少児に多く見られるが、乳児や大人が感染することもある。妊婦が感染すると、胎児流産死産胎児水腫(むくみ)などを引き起こすことがあるため、特に注意が必要とされる。10~20日の潜伏期間の後、子どもの場合は、まず頬に紅斑が現れ、その後、手足にレース状の紅斑が広がる。紅斑は1週間程度続き、自然に回復する。大人の場合は、主に手足の紅斑、関節炎、倦怠感が現れ、回復には数週間から数カ月を要する。紅斑が現れる1週間ほど前に微熱や風邪のような症状が現れる場合もある。この時期が最も感染力が高く、紅斑出現時には感染力はかなり衰えている。特別な治療方法はなく、医療機関では対症療法が行われる。

(2013-11-20)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

百科事典マイペディア 「リンゴ病」の意味・わかりやすい解説

リンゴ病【りんごびょう】

顔や四肢に特有の紅斑がみられる疾患で,伝染性紅斑の俗称。パルボウイルスの感染によって年長幼児,低学年児童に好発し,乳児や成人には少ない。1〜2週間の潜伏期ののち突然発疹が出る。発疹は両ほおに対称的に生じ,鮮紅色で,チョウの形をなし熱感がある。通常1週間ほどで消失する。特別な治療法はなく,対症療法を行う。

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