リン酸トリブチル(読み)リンサントリブチル

化学辞典 第2版 「リン酸トリブチル」の解説

リン酸トリブチル
リンサントリブチル
tributyl phosphate

C12H27O4P(266.31).[CH3(CH2)3O]3P=O.略称TBP.ブタノールに塩化ホスホリルを反応させ,発生した塩化水素を完全に除去したのち,減圧蒸留すると得られる.無色無臭液体.融点-80 ℃,沸点289 ℃,177~178 ℃(3.6 kPa).0.9766.1.4215.水に難溶,有機溶媒に易溶.セルロイドラッカー,プラスチック,ビニル樹脂の可塑剤金属抽出溶媒,消泡剤として用いられる.[CAS 126-73-8]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リン酸トリブチル」の意味・わかりやすい解説

リン酸トリブチル
リンさんトリブチル
tributyl phosphate

化学式 [CH3(CH2)3O]3PO 。 TBPと略記される。リン酸n -ブチルアルコールエステルの一つ。無色の液体。沸点 289℃。水に難溶,有機溶媒に可溶。金属ブトキシドに塩化ホスホリルを作用させてつくられる。金属の溶媒抽出,特にランタニド元素アクチニド元素の抽出に使用される。また核燃料用ウランの精製に大量に利用されている。

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