ルパート

百科事典マイペディア 「ルパート」の意味・わかりやすい解説

ルパート

英国ピューリタン革命期の国王派の軍事指導者。ジェームズ1世の娘エリザベスとファルツ選帝侯フリードリヒ5世の第3子としてプラハに生まれる。三十年戦争に巻き込まれ,流浪の生活を送ったが,その間に軍事技術を身につけた。英国の内乱勃発によって帰国し,叔父チャールズ1世を助けて議会軍と戦い,とくに騎兵の優れた指揮官として名をあげ,1644年国王軍総司令官に任じられたが,翌年マーストン・ムーアの戦でクロムウェルに敗れ,敗戦の責任を問われて解任された。国外追放になった後は,小艦隊を率いて共和国海軍と戦い,西インド諸島などに逃亡生活を送った。1660年の王政復古により帰国。海軍の再建にあたり,2度の対オランダ戦争を戦い,海軍卿を務めた(1673年−1679年)。

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改訂新版 世界大百科事典 「ルパート」の意味・わかりやすい解説

ルパート
Prince Rupert
生没年:1619-82

イギリス,ピューリタン革命期の国王軍の将軍。ジェームズ1世の娘エリザベスとファルツ選帝侯フリードリヒ5世の間にプラハで生まれる。三十年戦争にまきこまれ,流浪と戦闘幼少期を体験。イギリスの内乱勃発により帰国し,叔父チャールズ1世を助けて議会軍と戦う。44年国王軍総司令官に任ぜられたが,翌年敗戦の責めをうけ解任され,フランスに渡り海軍を率いて共和国イギリスに対抗した。王政復古(1660)後イギリスに戻り,海軍再建をはかり2度の対オランダ戦争を戦い,海軍卿(1673-79)を務めた。
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