日本大百科全書(ニッポニカ) 「ル・ジャンドル」の意味・わかりやすい解説
ル・ジャンドル
るじゃんどる
Charles William Le Gendre
(1830―1899)
アメリカの外交官。リ・ゼンドルともいい、李仙得とも署名した。8月26日フランスに生まれる。南北戦争に従軍して負傷。1866年厦門(アモイ)領事となり、アメリカ船難破事件で台湾に渡り事件を解決して台湾通となる。1872年(明治5)来日して日本政府顧問となり、琉球(りゅうきゅう)問題解決に台湾出兵を献策した。74年の台湾出兵に際し大久保利通(としみち)に随行渡清(としん)し、中立義務違反として一時アメリカ領事館に拘留された。以後も日本に滞在、北海道開拓論を主張、90年韓国政府顧問となり、99年9月1日ソウルで没。声楽家関屋敏子(せきやとしこ)は孫。
[藤村道生]
『ユネスコ東アジア文化研究センター編『資料御雇外国人』(1975・小学館)』