ル・ブラン(読み)ルブラン(英語表記)Le Brun, Charles

百科事典マイペディア 「ル・ブラン」の意味・わかりやすい解説

ル・ブラン

フランスの画家。パリ生れ。ブーエに学び,1642年―1646年ローマに遊学してプッサン師事。のちコルベール庇護(ひご)のもとにベルサイユ宮殿の〈鏡の間〉(1679年―1684年)やルーブル宮殿の〈アポロンの間〉装飾を担当し,1662年国王の首席画家,1668年王立アカデミーの総裁に就任,フランス美術界の大御所となった。絵画は諸流派の折衷的作風で,宗教画,歴史画,肖像画などを残し,代表作に《十字架降下》(1684年,レンヌ美術館蔵),《アルベラの戦》(1669年)を含む連作アレクサンドロスの生涯》(ルーブル美術館蔵)などがある。
→関連項目ジラルドンミニャールル・ボー

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ル・ブラン」の意味・わかりやすい解説

ル・ブラン
Le Brun, Charles

[生]1619.2.24. パリ
[没]1690.2.12. パリ
フランスの画家。 G.ペリエ,S.ブーエに師事。 N.プーサンとともに 1642年から4年間イタリアに留学。この間プーサンやバロック画家の影響を受けた。帰国後は J.コルベールの知遇を得,彼を助けてフランス王立アカデミーの設立に尽した。ルイ 14世の寵を受け,歴史画,宗教画,肖像画,装飾画など多方面にわたって活躍し,62年貴族に列せられ,ベルサイユ宮 (鏡の間) やルーブル宮 (アポロンの間) の装飾を担当。以後王立ゴブラン製作所所長 (1663) ,首席宮廷画家 (64) ,ローマのフランス・アカデミーの創設など,王宮の芸術顧問として権勢をふるったが,コルベールの没後は失脚した。代表作『大法官セギエの肖像』 (61,ルーブル美術館) 。

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