日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ルー(Pierre Paul Émile Roux)
るー
Pierre Paul Émile Roux
(1853―1933)
フランスの細菌学者。パリ大学に学び、1881年同大学で学位を取得。1884年パリのパスツール研究所の助手になったが、当時は、パスツールの狂犬病ワクチン研究が軌道に乗りかけたころであった。狂犬病ワクチンの人体への応用第一例(1885年7月6日注射開始)についての科学アカデミーへの報告の連名を、基礎実験不十分としてルーは拒否したと伝えられるが重要な協同研究者である。1888年エルサンと共同でジフテリア毒素を発見、抗毒素の研究へと発展した。1903年メチニコフと共同で梅毒病原スピロヘータのサル感染実験に成功し、梅毒スピロヘータの病原説が証明された。1904~1918年パスツール研究所長を務めた。
[藤野恒三郎]
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