レーベ(Johann Carl Gottfried Loewe)(読み)れーべ(英語表記)Johann Carl Gottfried Loewe

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

レーベ(Johann Carl Gottfried Loewe)
れーべ
Johann Carl Gottfried Loewe
(1796―1869)

ドイツの作曲家、指揮者、歌手。リートの主要な形式バラードの確立者。ハレ近郊に生まれ、父から音楽の手ほどきを受けたのち、当時の有名なピアノ奏者で作曲家のG・テュルクに師事した。ハレ大学で神学を学んだあと、ドイツ各地を旅してゲーテウェーバー、フンメルらに会った。1820年シュテッティンでカントール、オルガン奏者を務め、その翌年には同市音楽監督に就任した。24年に作品一として3曲のバラードを出版し、作曲家としての地歩を固めた。その後、指揮者、歌手としてヨーロッパ各地を演奏旅行して名を広め、32年グライフスバルト大学から名誉博士号を授与され、さらに37年にはベルリン芸術アカデミーの会員になった。作品には交響曲、オペラオラトリオなどの大作もあるが、中心をなすのはピアノ伴奏歌曲、とくにバラードである。シューベルトと同時代に活躍を始めており、共通の詩による作品も多い。『魔王』『オルフ氏』『鳥刺しハインリヒ』『時計』などは今日でもしばしば演奏される。

[石多正男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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