日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ロス(Andrew Roth)
ろす
Andrew Roth
(1919―2010)
アメリカの国際的ジャーナリスト。ハンガリー移民の子としてニューヨークに生まれ、コロンビア大学で修士号を得た。太平洋問題調査会の研究員を経て、第二次世界大戦中はアメリカ合衆国海軍大尉として対日諜報(ちょうほう)活動に携わる。1945年『日本のジレンマ』を発表、財閥と天皇制を温存して戦後日本の立て直しを図ろうとするアメリカ国務省やグルー元駐日大使を批判し、自由主義者や社会主義者などによる恒久的平和の確立を提唱した。戦後は『ネーション』誌の論説記者や『トロント・スター・ウィークリー』紙の特派員を務め、中東、極東、東南アジアの各地を訪問。ロンドンに居を移して以来、世界各地の新聞・雑誌に寄稿する一方、1984年からは『ニュー・ステーツマン』紙の政治問題特派員を務めた。
[鈴木ケイ]
『小山博也訳『日本のジレンマ』(1970・新興出版社)』
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