ロッキンガム(英語表記)Charles Watson-Went-worth, 2nd Marquis of Rockingham

改訂新版 世界大百科事典 「ロッキンガム」の意味・わかりやすい解説

ロッキンガム
Charles Watson-Went-worth, 2nd Marquis of Rockingham
生没年:1730-82

イギリスの政治家。1750年,父の死によって侯爵位とヨークシャーおよびアイルランドの大所領を相続し,ジョージ2世および3世の宮廷に仕える(1751-62)。65年,グレンビル首相辞任のあと,後継首相に任命され,北アメリカ植民地で不評を買った印紙税法廃止。翌66年閣内不統一のため下野し,以後16年間いわゆるロッキンガム派ホイッグ党首領として議会内における反政府活動を指導。理論上の助言者E.バーク下院きっての雄弁家C.J.フォックスらのすぐれた配下に恵まれて,北アメリカ植民地を独立戦争に追い込んだ政府の政策をきびしく批判した。82年3月再度首相に任命されると,ただちにアメリカとの和平交渉を開始したが,同年7月病死。彼の率いるホイッグ党の指導権は,上院ではポートランド公,下院ではフォックスによって継承された。
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百科事典マイペディア 「ロッキンガム」の意味・わかりやすい解説

ロッキンガム

英国の政治家。アメリカ独立戦争時の首相。ケンブリッジ大学に学び,宮廷に入ってジョージ2世およびジョージ3世に仕える。1765年グレンビルの後の首相に任命され,印紙税法を廃止。翌年ジョージ3世に嫌われ,閣内不統一もあって辞任。以後はロッキンガム派ホイッグの首領として,理論家バーク弁舌にすぐれたC.J.フォックスなどを擁してアメリカ独立戦争を招いた政府の姿勢を厳しく批判した。1782年再度首相に任じられると,ただちにアメリカとの和平交渉に乗り出したが,パリ条約の締結前に病死。
→関連項目ニューカッスル公

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世界大百科事典(旧版)内のロッキンガムの言及

【バーク】より

…法律家の資格を得ようとロンドンに出たが,やがて文筆の世界に転じてボーリンブルック卿の抽象的社会理論を風刺した《自然社会の擁護》と,美的感覚を心理的に解剖した《崇高と美の観念の起源》(1757)で文壇に登場し,ドズリー書店から《年鑑》を創刊して単独で編集に従った。まもなく穏健なホイッグ貴族ロッキンガムの秘書,65年には下院議員となり,アメリカでの印紙法の騒擾について処女演説して一躍名演説家たる声望を得た。また,〈国王の友King’s friends〉を通ずるジョージ3世の金権的専制の企図に伴う憲政の危機に際して,近代の政党政治の原理を《現代の不満の原因》(1770)で唱導した。…

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