ロブ・ノール[湖](読み)ロブノール

百科事典マイペディア 「ロブ・ノール[湖]」の意味・わかりやすい解説

ロブ・ノール[湖]【ロブノール】

中国,新疆ウイグル自治区南東部,タリム盆地東端にあった塩湖。漢字では羅布泊。タリム川,孔雀河の水を受け,排水河はなかった。もとは湖面標高780m,長さ約95km,幅25〜35km。タリム川の河道の変遷により,位置,面積などが大きく変化し,かつても一時湖水が消えたことがある。1929年ヘディン探検により,1921年から再びタリム川が旧湖床に注いでいることが明らかにされ,〈さまよえる湖〉と呼ばれた。付近に楼蘭,ミーランなどの遺跡がある。ロブ・ノールとはモンゴル語で〈多くの水が流入する湖〉の意。1952年,尉犁県に堤防が建設され,タリム川の流路が孔雀河と分断され,以後は孔雀河だけがロブ・ノールに流入していたが,1960年代以降は灌漑(かんがい)による取水量の急増のため,今日では塩殻におおわれた砂漠の観を呈している。
→関連項目ミーラーン

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