ローダミン(英語表記)rhodamine

翻訳|rhodamine

デジタル大辞泉 「ローダミン」の意味・読み・例文・類語

ローダミン(rhodamine)

独特の鮮紅色塩基性染料。アミノフェノール無水フタル酸から得られる。木綿レーヨン皮革などの染色に用いる。

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改訂新版 世界大百科事典 「ローダミン」の意味・わかりやすい解説

ローダミン
rhodamine

キサンチン系の塩基性染料。ローダミン6GCP,ローダミンBなど化学構造の類似した赤~赤紫色染料である。

前者はモノエチル-m-アミノフェノールと,後者はジエチル-m-アミノフェノールと無水フタル酸を反応させてつくる。6GCPは反応後エチルエステルとして存在する。いずれも水,エチルアルコール可溶で,強い蛍光を放つことに特徴がある。塩基性染料の共通的な性質として,色は美麗で濃色であるが,耐光性に乏しい。紙,パルプ,皮革その他雑貨の染色に使われるほか,レーキ顔料原料となる。食品には使用を禁じられている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ローダミン」の意味・わかりやすい解説

ローダミン
ろーだみん
rhodamine

キサンテン骨格をもつ赤色系塩基性染料。ローダミンBが代表的であるが、ローダミン6G、6GP、6Gエキストラなど多数の誘導体がある。水、エタノール(エチルアルコール)、アセトンなどに可溶。硫酸には溶けるが、塩酸、水酸化ナトリウム水溶液に難溶。羊毛、絹、ナイロン、木綿、アクリル繊維を染めるほか、紙、雑貨などの着色にも用いられる。色調が美しいので多方面に利用されている。ローダミンBはm(メタ)-ジエチルアミノフェノールと無水フタル酸とを縮合させて合成される。金属塩とのレーキは、赤色系有機顔料として用いられている。

[飛田満彦]


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百科事典マイペディア 「ローダミン」の意味・わかりやすい解説

ローダミン

アミノフェノール類と無水フタル酸を縮合して得られる鮮紅色の塩基性染料。ローダミンB,6G,6GP,3GOなどの種類があるが,特にBが重要。ローダミンBは緑色結晶で,水に溶けて赤色を示す。染色は丈夫ではないが,絹や羊毛のほか,タンニン媒染で木綿の染色にも用いられ,雑貨の着色には広く使われている。飲食物の着色に使うことは禁止。(図)
→関連項目夜光塗料

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ローダミン」の意味・わかりやすい解説

ローダミン
rhodamine

キサンチン系染料の一種。青いケイ光のある,黄色がかった赤色を特徴とする一群の塩基性染料。ローダミンBは褐色の結晶性粉末で,緑色の金属光がある。水溶液は青赤色で,冷時にケイ光を発する。色調は鮮明であるが日光や洗濯には弱い。羊毛,絹,木綿,皮革の染色,紙,セルロイドなどの着色に使用する。Bのほかに 6G,6GP,3GOなどの種類がある。アミノフェノールと無水フタール酸とを縮合させてつくる。

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栄養・生化学辞典 「ローダミン」の解説

ローダミン

 桃赤色の色素で,発がん性,毒性がある.

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世界大百科事典(旧版)内のローダミンの言及

【レーキ顔料】より

…金属錯塩顔料の一種グリーンゴールドgreen goldは,p‐クロロアニリンを2,4‐ジヒドロキシキノリンとカップリング後,ニッケルNi錯塩としたもので,独特の金属光沢をもつ黄緑色顔料である。最後のトリフェニルメタン系顔料の例としてローダミン3Bレーキを示す。ローダミン3Bをリン・タングステン・モリブデン酸で不溶のレーキとすることにより,耐光堅牢度(染色堅牢度)は1級から5級程度に向上し,印刷インキに適した美麗な顔料ができる。…

※「ローダミン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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