ワイラウ乱闘(読み)ワイラウらんとう(英語表記)Wairau Affray

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ワイラウ乱闘」の意味・わかりやすい解説

ワイラウ乱闘
ワイラウらんとう
Wairau Affray

1843年ニュージーランドのマオリ族の一部と白人入植者とが衝突した事件。人種対立の発端となった。南島のワイラウ地区を買収したと主張するニュージーランド会社の測量技師が,その買収を認めないマオリ族に測量地からの立ちのきを余儀なくされたため,マオリ族の首長テ・ラウパラハとテ・ランギハエアタを逮捕しようと約 50人の入植者が現地に向い,同年6月 17日約 90人のマオリ族と対決した。マオリ側は問題を討議の場に移すことに同意したが,発砲が起り,テ・ランギハエアタの妻が射殺された。激怒したマオリ族は入植者に襲いかかり,隊長も含め 22人の入植者を殺害,4人のマオリ族が死亡。総督 R.フィツロイは調査の結果,マオリ側に理を認めたが,両者間の緊張は強まっていった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android