ワカバグモ(英語表記)Oxytate striatipes

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ワカバグモ」の意味・わかりやすい解説

ワカバグモ
Oxytate striatipes

クモ綱クモカニグモ科。体長は雌 10mm前後,雄7~9mm。体が透き通るような緑色をした美しいクモで,歩脚はやや黄色を帯び淡色。雄は成熟すると腹部頭部触肢,歩脚などが桃色ないし赤褐色になる。平地から山地にかけて広葉樹低木の葉上に普通にみられ,都市部でも公園や庭の植込みにいるが,体色が葉の色とまぎらわしいので見つけにくい。春から秋にかけて成熟し,網を張らず,小さな虫を待伏せて捕える。北海道から九州に分布する。琉球諸島には同属の近似種ホシズナワカバグモ O. hoshizunaがいる。 (→カニグモ )

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ワカバグモ」の意味・わかりやすい解説

ワカバグモ
わかばぐも / 若葉蜘蛛
[学] Oxytate striatipes

節足動物門クモ形綱真正クモ目カニグモ科に属するクモ。5~6月の若葉ころに出現し、また体色が美しい若葉色をしていることからワカバグモという。おもに樹木の葉上を徘徊(はいかい)する。体長12~13ミリメートルほどで前2脚は長く後2脚は短い。腹部後方と歩脚に黒い棘(とげ)の列がある。雄は雌に比べて頭胸部前方や歩脚の基部は褐色。北海道から九州にかけて分布するごく普通のクモである。

[八木沼健夫]


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