ワットソニア(読み)わっとそにあ

精選版 日本国語大辞典 「ワットソニア」の意味・読み・例文・類語

ワットソニア

〘名〙 (watsonia) アヤメ科多年草。南アフリカ原産で、秋植えの球根草として栽培される。花茎は高さ一~一・二メートルになり、六月ごろ、グラジオラスに似た穂状花序に桃・紅・白などの一〇~一五花をつける。ひおうぎずいせん。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ワットソニア」の意味・わかりやすい解説

ワットソニア
わっとそにあ
[学] Watsonia

アヤメ科(APG分類:アヤメ科)の球根草。秋植え・春咲き、春植え・夏咲き、常緑のものがある。草丈は高く、光沢のある剣状葉を数枚出し、らっぱ形の大きな6弁花を、やや上向きに穂状につける。南アフリカ原産。暖地花壇、切り花用に向く。ベアトリシス種W. beatricis Mathews & Bolusは常緑性の夏咲きで、高さ約1メートル。朱赤、橙(だいだい)、桃色花を開く。耐寒性は強い。メリアナ種W. meriana var. albaは、5~6月、多数の白色花を開く。ガルピニー種は常緑性で、高さ約60センチメートル。秋、橙色花を開く。コクシネア種は高さ約30センチメートルの矮性(わいせい)種で、春に赤色花を開く。

 繁殖は分球か実生(みしょう)により、日当り排水のよい所を好む。常緑種は春に植える。秋植えのものは、降霜で新葉を傷めないくふうが必要である。掘り上げは6~7月で、十分乾燥して貯蔵する。春植えのものは、冬季に球根が休眠するので、寒さの強くない所では放任しておく。鉢植えの場合は矮性種を用い、一鉢に何球かまとめて植える。

[平城好明 2019年5月21日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ワットソニア」の意味・わかりやすい解説

ワットソニア
Watsonia; buglelily

アヤメ科の多年草で,園芸界ではヒオウギズイセンと呼ぶこともあるが,同じ科の CorocosmiaTritoniaを同名で呼ぶ場合もあり混乱しやすい。ワットソニアは南アフリカ原産の属で,60種ほど知られているが,そのうちW. angustaが代表的である。地下球茎があり,長い剣状の葉が出る。花は花茎上に穂状につき包葉に包まれ,下部円筒形上部漏斗状でグラジオラスに似ている。花色は種類により赤や白などがあり美しく,観賞用に栽培される。

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